「シャープ 紙パックレス掃除機 EC-KL10F(SHARP KAMIPAKLESS SOUJIKI EC-KL10F)」はフィルター式のキャニスター掃除機です(サイクロン掃除機ではありません)
紙パック不要なのでランニングコストがかからず経済的。洗える「HEPAクリーンフィルター」を内蔵しており、クリーンな排気を実現しています。ヘッドは「床用吸込口」タイプです。
「シャープ 紙パックレス掃除機 EC-KL10F」の実売価格は6,000円前後です。
製品情報
「EC-KL10F」は、シャープが販売する「紙パックレスタイプ」の掃除機です。本体カラーは「フレッシュブルー」の1種類。「すき間ノズル(1個)」が付属します。
初めに強調しておきますが「EC-KL10F」はサイクロン掃除機ではありません。
ダストボックス内の「筒型フィルター」「HEPAクリーンフィルター」と「排気フィルター」でゴミをキャッチ。きれいな空気のみを外部に排出する「フィルター式」の掃除機です。このタイプは80年代に紙パック掃除機が登場するまで家庭用掃除機の主流となっていました。
ヘッドは「床用吸込口」と呼ばれるフロアブラシタイプのシンプルなものです。回転ブラシがないので髪の毛が絡みつく心配はありませんが、カーペットや絨毯のような場所は表面のゴミしか吸い取れません。したがって本機はフローリング・畳に向いた製品だと言えます。
排気性能に関しては「HEPAフィルター」の搭載により、リーズナブルな価格のわりに高性能です。HEPAとは「High Efficiency Particulate Air Filter」の略で、空気清浄機や工場のクリーンルームでも採用されています。直径0.0003ミリの微粒子を99.97パーセント以上キャッチできる性能を持ち、スギ花粉やハウスダストも取り除けます。
紙パックレスなので別売品の紙パックを購入する必要はありません。ただしフィルターに汚れが着くと吸引力が低下するため、定期的にお手入れをする必要があります(月に1回程度)。ゴミの「圧縮機能」や「フィルタークリーニング機能」はないので、フィルターの手入れは少々手間がかかります(水洗い~乾燥が必要)。また「擬似サイクロン掃除機」によく見られる、市販のティッシュをフィルターに被せて汚れを抑える機能もありません。
また目立つ弱点として電源スイッチの位置が気になります。スイッチのサイズ自体は大きいのですが、手元グリップではなく本体に付いています。それゆえ電源をオン・オフするたびに、本体のスイッチを押す必要があります。また吸引パワーの変更もできません。
なぜ冒頭に「シャープの良心を感じる…」と書いたのかというと、一部のメーカーは、このタイプの掃除機を「サイクロン掃除機」として販売しているからです。
不思議なことに日本の掃除機市場では、旋回気流によるゴミと空気の「遠心分離」をほとんどしていない機種でも、何らかの形で空気を回転させていれば「サイクロン掃除機」と名乗っているのが実情です(当サイトでは「擬似サイクロン掃除機」と呼んでいます)
しかし中身は、紙パック掃除機より前から存在するフィルター式であり、ダイソンに代表される「フィルターレスサイクロン掃除機」とは全くの別物です。知らずに購入したユーザーは、どのように感じるのか気になるところです(単に気付いていないだけかもしれません)
シャープは、2002年2月に国内メーカー初のサイクロン掃除機「EC-AC1」「EC-SA10」を発売しています。また同社はサイクロン技術の周辺特許も取得しており、ほとんど遠心分離をしない「擬似サイクロン掃除機」を販売するのはプライドが許さないのでしょう。
「擬似サイクロン掃除機」を販売するメーカーもシャープを見習って「紙パックレス掃除機」として販売すればユーザーの混乱を招かずに済むと思うのですが…。このあたりは「サイクロン」と名乗る商品に飛び付いてしまうユーザー側にも問題があるように思います。
製品仕様
発売年月 | 2012年1月 |
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メーカー | シャープ |
型番 | EC-KL10F-A(ブルー系・フレッシュブルー) |
サイクロン方式 | – |
ヘッド・ノズル | 床用吸込口 |
本体寸法 | 幅26.3センチx奥行き34.2センチx高さ21.4センチ |
本体質量 | 本体のみ:3.8キロ(付属品含む:4.7キロ) |
吸込仕事率 | 240W |
消費電力 | 1000W |
運転音 | 66dB |
集じん容積 | 0.35リットル |
コードの長さ | 5メートル |