「日立 パワーブーストサイクロン CV-SC700」は2015年型「パワーブーストサイクロン」シリーズの上位機種です。
下位機種との主な違いは「本体カラー」「吸込仕事率」「運転音」となっており、新開発された「ジェット吸引スマートヘッド」を搭載しています。
後継機種は「日立 パワーブーストサイクロン CV-SD900」と「日立 パワーブーストサイクロン CV-SD700」です(2016年7月発売)
目次
製品情報
日立 サイクロン式クリーナー(自走パワーブラシ)ディープレッド【掃除機】HITACHI パワーブーストサイクロン CV-SC700-R
「日立 パワーブーストサイクロン CV-SC700」は、日立アプライアンス株式会社(本社:東京都港区)が販売する「パワーブーストサイクロン」シリーズの上位機種です。
日立製のサイクロン掃除機はプレミアムクラスの「パワーブーストサイクロン」、スタンダードクラスの「2段ブーストサイクロン」、エントリークラスの「ごみダッシュサイクロン」があり、こちらのパワーブーストサイクロンシリーズは「小型ハイパワータイプ」とされています。
「CV-SC700」の付属品は「ワイド曲が~るロング吸口(曲がるロング吸口+ワイドブラシ)」「クルッとブラシ」「サッとハンドル」「お手入れブラシ」「すき間用吸口」「別売り部品接続用アタッチメント」の6点です。
2014年型との違い
2014年型となる「CV-SA700」との違いは「本体カラー」「重量」「吸込仕事率」「消費電力」「運転音」「ヘッド」「水洗い対応」となります。
本体カラーは旧モデルと同じ「ディープレッド(R)」と「ディープシャンパン(N)」なのですが、本体ハンドルの配色が異なっています。
本体・ホース・パイプ・ヘッドの合計質量である「標準質量」は、本機が「5.2キロ」、旧モデルは「5.1キロ」なので約100グラム重くなったことになります。
吸込仕事率は、本機が「430W~約60W」、旧モデルは「420W~約50W」となっており約10W向上しています。しかし消費電力について、本機は「960W~約190W」なのに対して、旧モデルは「950W~約190W」なので約10W増加しています。
運転音は、本機の「55~約50dB」に対して、旧モデルは「54~約49dB」となり、旧モデルより約1デシベル音が大きくなりました。
ヘッドは「ジェット吸引スマートヘッド」を装備しています。これは旧モデルの「4方向吸引スマートヘッド」を進化させたものであり、モーター駆動方式でヘッドの「自走機能」を装備しています。
ジェット吸引スマートヘッドには、前後左右から吸い込める「4方向吸引機構」に加えて新機能「ジェット吸引機構」が採用されました。これはヘッドの「気密性」と「操作性」を両立させるために開発された機能で、床面との気密性が向上したことにより「圧力(ヘッドを押しつける力)」を従来比で約1.5倍に高めています。
通常なら気密性を上げるとヘッドが床に張り付いて動かしにくくなるのですが、この問題を解決するためにヘッドの上面に空気の取り入れ口を設置。床面に吹きつける空気の流れを発生させて張り付きを抑えています。またフローリングの目地に入り込んだゴミを浮かせて吸い込みやすくする効果があるそうです。
水洗い対応に関しては、ダストケースの分解点数を旧モデルより減らしてメンテナンスを簡単にしています。
下位機種との違い
下位機種となる「CV-SC500」との違いは「本体カラー」「吸込仕事率」「運転音」です。
本体カラーは、本機が「ディープレッド」と「ディープシャンパン」、下位モデルは「ディープブルー」と「ディープシャンパン」が選べます。
吸込仕事率は、本機が「430W~約60W」、下位モデルは「420W~約60W」となっており、本機のほうが最大値が約10W大きくなっています。
運転音は、本機が「55~約50dB」、下位モデルは「56~約51dB」なので、本機のほうが下位モデルより約1デシベル静かということになります。
他の機能・性能については下位機種と共通であり大きな違いは見られません。
感想・評価
長所
「CV-SC700」の長所は「ジェット吸引スマートヘッド」の採用です。
前述したように、掃除機のヘッドは気密性を高めたほうが吸引力がアップするのですが、一方でヘッドが床に張り付いて動かしにくくなる問題が発生します(例:ダイソン製品のヘッドなど)
日立はヘッドの裏側に「2重の壁」を設けることで上下2方向の気流を生み出し、強い吸引力と軽い操作性の両方を実現しています。
短所
「CV-SC700」の短所は「集じん方式」が1世代前の旧型タイプであることです。
日立は2014年型の「パワーブーストサイクロン」シリーズから、遠心分離とフィルターを併用する「ハイブリッドサイクロン方式」に移行したのですが、他社のプレミアムクラス製品は大半のゴミを遠心分離で除去する「フィルターレスサイクロン方式」を採用しており、遅れを取っている状態です。
また本機と下位モデル「CV-SC500」の機能・性能に、ほとんど差がないことが気になります。
本機の実売価格は68,000円前後、下位モデルは60,000円前後なのですが、わずかな性能差が果たして約8,000円の価格差に見合う内容なのか疑問に感じました。
製品仕様
発売年月 | 2015年7月 |
メーカー | 日立 |
型番 | CV-SC700(R) ディープレッド CV-SC700(N) ディープシャンパン |
JANコード | 4902530098846(ディープレッド) 4902530098853(ディープシャンパン) |
サイクロン方式 | パワーブーストサイクロン(ハイブリッドサイクロン) |
ヘッド・ノズル | ジェット吸引スマートヘッド(自走式モーターヘッド) |
本体寸法 | 幅24センチ*奥行き33.6センチ*高さ29センチ |
本体質量 | 本体のみ:3.6キロ(付属品含む:5.2キロ) |
吸込仕事率 | 430W~約60W |
消費電力 | 960W~約190W |
運転音 | 55~約50dB |
集じん容積 | 0.4リットル |
コードの長さ | 5メートル |